2019年01月11日

弘法大師 空海を読む 加藤精一

 
最近読んだ空海について書かれた書籍を紹介します。


 それは、【中古】弘法大師・空海を読む 即身成仏義・弁顕密二教論・般若心経秘鍵・三昧耶戒序 /大法輪閣/加藤精一 (単行本) です。

 





 まずは著者の紹介から。

加藤精一氏の父は加藤純隆、祖父は加藤精神で、三代続けて真言宗豊山派の学僧という血筋です。しかも大正大学の教授でもあります。


父の加藤純隆氏が口語訳した『三教指帰』や『秘蔵宝鑰』は、口語訳、訓読、解説の三部構成で、一般の方にも読みやすい工夫がされていると評価の高い著作です。


精一氏も純隆氏の後を継いで空海の著書を口語訳しています。やはり一般人にも読みやすい工夫がされている上に、とても有益な著者の解釈がなされています。ただ空海の意図を汲み取る集中力が少し阻害されるきらいがあると感じます。



 この著書の内容を簡単に。

空海の著作として有名な「即身成仏義」、「弁顕蜜二教論」、「般若心経秘鍵」、「三味耶戒序」などの口語訳です。著者の紹介のところで少し触れたように、一般人にも読みやすい工夫がされていること、さらに著者の解釈がとても有益だというところが特徴だと思います。


空海はこれらの著作の中で、大日如来と人間とはもともと一体のものであることを繰り返し説いています。なので自分自身の中にある仏を感じる努力を続けなさいと言っているようです。


一般人にも読みやすい工夫がされているとはいっても、素人の私が読むにはやはり理解しにくい内容であることは否めません。仏教用語というか、空海が使っている言葉の意味を理解することから始めなければならないと感じました。


 この本は空海の考え方を理解するために、手元においてじっくり時間をかけて読みたい本であることに間違いはありません。


posted by gonta at 10:47| 本の紹介

2018年12月05日

空海入門 竹内信夫

 
今日は最近読んだ空海について書かれた書籍を紹介します。


 それは、空海入門 弘仁のモダニスト (ちくま学芸文庫) [ 竹内 信夫 ] です。

 





 まずは著者の紹介から。竹内 信夫氏の経歴を簡単に説明すると、東京大学卒業後、パリ第四大学(ソルボンヌ)に留学し、現在は東京大学の名誉教授です。専門はフランスの文学・思想です。

仏教関係の研究者ではありません。そんな方がなぜ空海の本を出しているのかというと、個人的な興味から空海の研究を始め、2013年7月に空海学会を設立し幹事長を務めるという変わった人です。


 そのような経歴からなのか、これまで読んだ空海に関する書籍とは、ちょっと視点が違っていると思います。空海の生い立ちやどのような功績があったとかいう内容ではありません。


竹内 信夫氏が知りたかったのは、空海が生涯をかけて探究したものとは何かということです。空海という人は誰が見ても稀有な個性と行動力を持った人です。


空海の個性や考え方に深く共感し空海に魅入られたということだと思います。読めば分かりますが、空海の研究者以上に、空海の著作を入念に読み込み解釈するとともに現地調査を行っていることに驚かされます。


そういう意味から、空海の真実に迫った画期的な入門書と言えるでしょう。とはいえ、やはり仏教や空海に関する知識がなければ、なかなか理解できない内容だと思います。本当の空海初心者が読むには、少々骨が折れる本だと思います。


なので、ある程度空海に関する知識を入れてから読まれることをお勧めします。


posted by gonta at 09:23| 本の紹介

2018年10月30日

「三教指帰」 空海

 
今日は最近読んだ空海の書籍を紹介します。


 それは、空海「三教指帰」 ビギナーズ日本の思想 (角川文庫 角川ソフィア文庫) [ 空海 ]

 





 「三教指帰」は空海が24歳の時に書いたもので、密教を勉強するために唐に渡る前に書かれたものです。青年時代の空海は、母方の叔父である阿刀大足(あとの おおたり)について儒教を学びました。それは官僚になるには儒教を学ぶ必要があったからです。


しかし儒教や道教には物足りなさを感じていたのか、仏教を学び始めます。そして本格的に仏道に入る覚悟を決めるために、この本を書いたと言われています。実際に得度した年齢は定かではありませんが、唐に渡る直前の31歳だという説が有力視されています。



 「三教指帰」の内容を簡単に説明します。放蕩息子を改心させようと、儒者・道士・仏教者がそれぞれ説得するのですが、息子を納得させたのは仏教者でした。空海はここで人生の目的という視点から儒教・道教・仏教の三つの教えを比較しています。


それぞれの特徴を明らかにしながら、自分の進むべき道をはっきりと打ち出していく青年空海の意気込みに溢れ、空海にとって生きるとは何かが熱く説かれています。


原文の読み下し文を読んでもよく分かりませんが、加藤純隆氏の訳文はとても見事な出来なので、我々のような一般人でも読みやすく理解しやすい文章です。


訳文の他に原文の読み下し文と解説がついているので、難解な内容ですが、理解しやすいと思います。当時の空海の考え方がよく分かります。現代にも通じるものだと思います。さすがレオナルド・ダ・ビンチと並び称される天才だと思わずにはいられません。


 四国遍路に興味がある方には、ぜひ読んでいただきたい本だと思います。

posted by gonta at 10:39| 本の紹介